はじめての香り
はじめての香りは、一日かけて選ぶ。
カウンターで気に入って持ち帰ったのに、肌にのせると印象が違って、棚に置いたままの香水はありませんか。香水は肌の上でだけ、ゆっくりと、ほんとうの姿をあらわします。最初の数分がいちばん強く、夜になると、何が残るかがわかります。だから一分ではなく、一日かけて選んでください。そしてノートの一覧を読むかわりに、身近に感じる物語からはじめてください。雨の午後、子ども時代の夏、恋しい街。

まずはムエットで、それから肌へ
ムエットでわかるのは香り立ちまで。その先は肌が教えてくれる。
- 手首の内側か首筋につけたら、あとは触れずに。こすらないこと。
- 最初の数分がいちばん強く、日々まとう香りからはいちばん遠い。
- 朝から夜まで、ひとつの香りだけをまとう。同じ日にふたつ重ねると混ざり合い、どちらもわからなくなる。
- 決めるのは夜、肌に残っているもので。眠る前に手首の香りを確かめて、ひとことだけ書きとめる。
香りが一日のうちに変わるわけ
どの香りも、上から下へと読んでいく。
- トップノート:つけてすぐ、最初に出会う香り。
- ミドルノート:香り立ちが落ち着いたころに現れる香り。
- ベースノート:一日を通して香りを支えるもの。
Pluviophile は、それがよくわかる香りだ。肌の上では、にわか雨の順序をたどる。まず雨、次に花、最後に雨宿り。
六つの香調を、ふだんのことばで
香調とは、香りの大まかなかたちのこと。R Parfums の六つの香りは、それぞれ別の香調に属する。
- グリーン・Pluviophile:花や木ではなく、葉や茎を軸に組み立てる香り。ここでは、そのグリーンが濡れている。
- シプレ・フローラル・Eau de Hajime:シプレは、香水の古い骨組みだ。トップにベルガモット、その下にオークモスとラブダナム。シプレ・フローラルは、その枠のなかに花を置く。Hajime は骨組みを残したまま軽くした。
- フローラル・フルーティ・Nostalgic March:花が香りを運び、果実がそれを引き立てる。ここでの花はザボンの花、マグノリア、スズラン。果実はラズベリー。
- ウッディ・レザー・221B:なめした革の香りを軸に、樹脂と木の香りを重ねた香調。221B では、その土台をシラカバの樹皮から採るバーチタールと、樹脂のペルーバルサムがつくる。
- モダン・レザー・Shadow Éclat:中心にあるのは、なめした革の匂い。ただしここではスエードで、磨き上げたレザーよりやわらかく、花々と、蜜のようなオスマンサス、ブラックペッパーのあいだに置かれている。
- スパイシー・アンバー・Béton Chaud:アンバーとは、樹脂とバニラによる温かなアコードのこと。スパイシー・アンバーは、そこに台所のスパイスを重ねたもの。ここでの樹脂はフランキンセンス、スパイスはクミン、シナモン、カルダモン、スターアニスだ。
好みが、もうわかっているなら
どの香りにも、ほかの五つのなかに近しい香りがある。
- Eau de Hajime の、洋梨とプチグレンのトップがお好きなら、Pluviophile は、青葉、雨、ルバーブではじまる。
- 心に残るのが白い花なら、Nostalgic March は、トップにザボンの花、ミドルにマグノリアとスズラン。
- ほの暗さに重なるローズがお好きなら、221B は、ローズとオスマンサスをレザーとバーチタールに重ねる。
- 221B から。そのレザーをさらに暗く、アイリスとブラックペッパーを添えたスエードにすると、Shadow Éclat。レザーの代わりにジャスミンとオークモスを添えたローズは、Eau de Hajime。ベースのぬくもりを、ダマスクローズを囲むクミン、シナモン、バニラへと移すと、Béton Chaud。
- Nostalgic March から。雨のなかの花とムスクは Pluviophile へ。マグノリアとアイリスをより暗くすると、Shadow Éclat へ。
- Béton Chaud から。陽ざしではなく雨のなかのアニスとクローブは Pluviophile へ。ローズとレザー、タバコをともなう温かさは 221B へ。
あるいは、物語からはじめる
- IEau de Hajimeはじめて心が動いた日のように
- IIPluviophile雨を愛するひとへの小品
- IIINostalgic March追憶の三月
- IV221B向こう見ずな夢想家
- VShadow Éclatまばゆい闇
- VIBéton Chaud自由だった夏の記憶
どの香りも、ひとつの場所か物語からはじまっている。そこから選ぶ人もいる。東京・新宿御苑の、雨の午後。Rei Nguyen がはじめてつくった香り。ザボンの花のあいだにサトウキビを置いた、古いハノイのならわし。シャーロック・ホームズ。ジェームズ・モリアーティ。コンクリート管のなかから凧を眺める子どもたち。物語はそれぞれの章で余さず語られ、どの香りのページからもたどれる。
「221B は、シャーロックならこれをまとうだろう、と私が考える香りではありません。私なりに理解したシャーロックを、香りのことばで描いたものです。」
Rei Nguyen、2023年の文章より。ベトナム語からの翻訳。
Discovery Set で過ごす五日間
Discovery Set には、2 ml の小瓶が五本、章の順に並んでいます。Eau de Hajime(I)、Pluviophile(II)、Nostalgic March(III)、221B(IV)、Béton Chaud(VI)。第五章 Shadow Éclat はまだセットに小瓶がないため、その場所を空けています。Shadow Éclat は、2 ml のサンプル単品でお求めいただけます。
どの順でまとっても、章の番号どおりでも構いません。セットで候補が絞れたら、2 ml の小瓶を一本だけ。ひとつの香りと、もう一日を過ごせます。
それから、ボトルを
どの香りにも 50 ml のボトルがふたつあり、中の香りはどちらも同じです。真鍮のパティナには、手で仕上げた三片の真鍮を留めています。ひとつは明るいまま、ひとつは全面をパティナに、ひとつは変化の途中にあるもの。陶器は、釉をかけて 1000°C で焼成したキャップに、タッセルと両面の陶器のチャームを添えています。12 ml は、バッグに入れて持ち歩いたり、旅に連れていったりするためのサイズです。ミニサイズもご覧ください。
陶器:ただいま品切れ中・11月下旬に再入荷予定。
どこで試せるか
ホーチミン市内の三つの店舗では、毎日、Eau de Hajime から Béton Chaud まで、六つの香りがすべてカウンターに並んでいます。まずはムエットで。気になったひとつを手首にのせて、夕方にどう変わったかをお確かめください。住所と営業時間は店舗をご覧ください。
- Nguyễn Duy Hiệu34 Nguyễn Duy Hiệu, Phường An Khánh, TP. Hồ Chí Minh毎日営業・8:00〜18:00
- Nguyễn Huệ42 Nguyễn Huệ, Phường Sài Gòn, TP. Hồ Chí Minh(2階)NOTE – The Scent Lab 店内・2階毎日営業・9:00〜22:00
- Lý Tự Trọng26 Lý Tự Trọng, Phường Sài Gòn, TP. Hồ Chí Minh(3階)Saigon Scent Lab 店内・3階毎日営業・10:00〜21:30
よくあるご質問
R Parfums の香りは、どれからはじめればよいですか?
ひとつの答えはありません。ふだんまとっている香調か、惹かれる物語からはじめてください。迷ったときは、Discovery Set から。
サンプルは、どれくらいつけてから決めればよいですか?
まる一日です。決めるのは夜、肌に残っているもので。
香水は、ムエットと肌のどちらで試せばよいですか?
両方です。ムエットでわかるのは香り立ちまで。その先は肌が教えてくれます。
Shadow Éclat は Discovery Set に入っていますか?
いまはまだ入っていません。2 ml のサンプル単品でお求めいただけます。
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六つの香り、三つのサイズ、カードに添えるひとこと、そして合わなかったときのこと。

ガイド
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三つの店舗、三つのサイズ、そして飛行機に乗る前に知っておきたいこと。





